教会だより

No.58  2018年9月30日

賜物を生かして

牧師 石田 透

 神さまはだれにでも賜物を与えてくださっています。その人にしかないその人固有のよきものを与えてくださっています。あなたにも、そしてこの私にも神さまは賜物を与えてくださっています。一人ひとりに命を与えてくださった神さまは、この世界に生きるすべての者が喜びを持って人生を歩んでいくためによき賜物を与えてくださっているのです。でも、もしかしたら私たちは神さまからのせっかくのプレゼントに気づかないでいるのかもしれません。私たちは自分の中に、すでに神さまによって備えられている自分の賜物に気づいていないのかもしれません。でも、一人ひとりには神さまがくださったよきものが確かにあるのです。それはまさにその人固有のものです。特別なものです。かけがえのないものです。そしてそれはとても素敵なことなのです。

笑顔が素敵な人がいます。歌が上手な人がいます。絵を描くのがうまい人がいます。お話をするのが得意な人がいます。他の人の話をやさしくにこやかに聞くことができる人がいます。コンピューターが得意な人がいます。整理整頓が得意な人がいます。おもしろい冗談を言う人がいます。よく響く大きく元気な声の人がいます。悲しんでいる人の心に寄り添って一緒に涙を流すことができる人がいます。他にもたくさんあるでしょう。それらはすべてすばらしいことです。神さまからのプレゼントなのです。他の人と比べる必要はありません。私たちは自分に与えられている神さまからのプレゼントを素直に喜べばいいのです。そしてそれらを自分が栄光を受けるためではなく、自分が楽をするためではなく、他の人の幸せのために、神さまをほめたたえるために使えたら何と素敵なことでしょう。

そして神さまは時々、思い出したように私たち一人ひとりに語りかけられるのです。あなたはあなたのよき賜物を用いていますか。あなた自身のために、あなたの大切な人のために、この世界のために、あなたはあなたのそのよき賜物を用いていますか。それを土の中に隠したりはしていないですか。神さまはそう語りかけるのです。
使徒ペトロは語りました。

「あなたがたはそれぞれ、賜物を授かっているのですから、神のさまざまな恵みの善い管理者として、その賜物を生かして互いに仕えなさい。語る者は、神の言葉を語るにふさわしく語りなさい。奉仕をする人は、神がお与えになった力に応じて奉仕しなさい。それはすべてのことにおいて、イエス・キリストを通して、神が栄光をお受けになるためです。」 (Ⅰペトロ4:10~11)

私たち自身の本当の幸せのために、大切な人のために、この世界のために、与えられたよき賜物を用いたいと思います。神さまのために、イエスさまのために喜んでその賜物を用いたいと思います。

また年を取っていくということは、神さまからお預かりしたものを一つ一つお返ししていくようなものです。年を取るにつれて視力も聴力も体力も気力も衰えていきます。そして私たちは最後にはすべてをお返ししなければなりません。その時に神さまのみ前に進み出て、「神さま、本当にありがとうございました。お預かりしたものを十分に用いさせていただきました。」そのように言える人生を送りたいと思います。